7月9日 「江戸しぐさ」から「北町小しぐさ」を

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 今日は、『江戸しぐさ』というお話をします。
江戸というのは、今の東京の150年から400年くらい前の呼び名です。『江戸』は、今の東京と同じように日本の中心でたくさんの人が住んでいました。『しぐさ』というのは、何かをする時の動きや態度のことです。では、『江戸しぐさ』をいくつか紹介します。
 まず、「傘かしげ」です。雨の日に道を歩いていて、自分の傘から落ちる雨で相手をぬらさないように、お互いに傘を人のいない外側に斜めに傾けてすれ違うことです。
 次に、「七三歩き」です。道路を歩く時、自分は道の三つ分(3割)を歩き、道の七つ分(7割)を急ぐ人や荷物を運ぶ車のためにあけておくということです。
 三つ目は、「うかつあやまり」です。足を踏まれた時、踏んでしまった方はもちろん謝りますが、踏まれた方も「こちらこそ、ついうっかりしていました。」と一言話し、その場の雰囲気を良くするしぐさです。みなさんは「何だよ!」とか言っていませんか?
 もう一つ紹介します。「こぶし腰浮かせ」です。座っている時に誰かが来たら、座っていたみんながこぶし一つ分腰を浮かせてつめて、その人も座れるようにすることです。電車の中でつめずに間をあけて座っている人がいますね。みんながこぶし一つ分腰を浮かせてつめれば、一人座れる空間ができますね。
 まだまだ、たくさんの『江戸しぐさ』があります。
 江戸しぐさは、江戸に暮らす人々の他の人に対する「思いやり」や「心遣い」であふれています。大切なことは、自分さえ良ければいいという身勝手な考えではなく、他の人のことを思いやり、さりげない心遣いを大切にして、常に行動しようということです。
 ところで、江戸の人たちはこの『江戸しぐさ』を何才までに身に付けたと思いますか?6才までに身に付けたそうです。つまり、今の小学校1年生までに身に付けていたのです。
 このような『江戸しぐさ』をさりげなくできる人が、江戸では「いきな人」であると言われていました。逆に、『江戸しぐさ』を身に付けていない人は、「野暮な人」と見られていました。
 校長先生も先日、朝、学校に来た時、玄関に先に入りかけていた先生が、校長先生が玄関に入るまでさりげなくドアを押さえていてくれました。通用門の蛇腹の門を入りきるまで開けていてくれた6年生もいました。これらもすてきな『江戸しぐさ』ですよね。
 みなさんも『江戸しぐさ』のように相手のことを思いやって行うしぐさは、わりとできている人も多いと思います。そんなときは、校長先生は『北町小しぐさ』と呼びたいです。
 『江戸しぐさ』に負けないぐらいたくさんの『北町小しぐさ』が学校中にあふれてほしいです。

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