全校朝会講話
3月7日(月) あれから5年
あれから5年
何のことか分かりますね。
東日本大震災が起きたのが、5年前の3月11日です。6年生はもう小学校に通っていました。1年生だったから、下校後の出来事だったかもしれません。
平成23年3月11日午後2時46分。マグニチュード9という大地震が日本を襲いました。これまでの記録の中で、もっとも大きな地震だったそうです。揺れの強さは震度7。立っていても身体がとばされそうになり、地面に張り付くのが精一杯。地面が波のように揺れ、あちこちで建物が音を立てて崩れました。このときに家の中にいた人たちの中には、倒れてくる家具の下敷きになったり、崩れた建物の中に閉じ込められたりした人もたくさんいます。
更に、揺れが収まったと少し人々が安心した30分ほど後から、津波が海沿いの街を襲いました。津波は、海の水が大きな崖のようになって、人々を飲み込み、車や家を飲み込んでいきました。大きな家やビルも、段ボール箱のように転がって流されていきました。高さは15m。この校舎がそのまま泥水の塊となって、みなさんに覆い被さってくる様子を思い浮かべてください。
地震の後、家に閉じ込められていた人々、車で逃げようとしていた人々、家族で避難していた人々が、目の前で、津波に飲み込まれていきました。家族を助けようとした人、お年寄りを救いに行った消防団員、たくさんの人々が津波にのみ込まれたのです。なくなった方、まだ見つかっていない方を含めて18000人以上の方が、なくなりました。大泉町全部の人口が1万人です。大泉町全てと学園町の半分くらいが全て、飲み込まれたという数です。実際に、幾つかの海沿いの町では、家が一軒もなくなってしまいました。
ある小学校は、数名を残して、全員が津波にのみ込まれました。保育園の通園バスも、子供たちを乗せたまま、津波にのみ込まれました。
津波を生き延びた人々も、水道もガスも電気もトイレも使えないまま、まっくらな壊れた建物の中で、夜を過ごしました。雪が降ったところもありました。中には寒さでそのまま亡くなった人もいます。
その後で、原子力発電所が地震と津波で壊れ、原子炉から漏れ出した放射能で、発電所の近くは人の住めない危険な街になってしまいました。まだ無事だった人たちも、自分の家や持ち物の全てをそのままにして、避難をすることになりました。
私たちの住んでいる東京でも、それからしばらくは電気が使えなかったり、車が使えなかったりする日が続きました。
それから、5年経った今も、まだ津波にのみ込まれた家族が見つからないと探している方がいます。まだ避難生活を続けている方もいます。新しい土地で、新しい仕事を始めた方もいます。壊れた原子力発電所はまだまだ危険なままです。
私たちは、昔のことを思い出してばかりでは生きていくことができません。これからの未来を見つめて、どう生きるかを考えることが大切です。ですが、今週、3月11日には、私たちの仲間、同じように頑張っている人々の悲しみと勇気を想像して、何ができるかを考える時間を持って欲しいと思います。
3月11日の午後2時46分には、学校にいる人はみんな、その場で起立をして、1分間、目を閉じてお祈りをします。黙祷といいます。みんなで思い、考える時間です。
3月14日(月) いよいよ
今日は3月14日。今年度の授業日はあと八日間になります。校長先生にとって、この場がみなさんに考えてもらう教室です。
さて、1年間、いろいろなことを投げかけてきました。世の中の話と共に、振り返ってみましょう。
ひとつめ。去年、とても哀しいニュースがありました。小さな子供に、大人の人が暴力を振るい、怪我をさせたり死なせてしまったりすることが、何度もありました。みなさんは、そんなニュースを見て、どう感じましたか。校長先生は、絶対に許せない、と思いました。みなさんはどうでしょう。
そこで、校長先生は自分のことを振り返ってみました。誰かに暴力を振るったり、酷い言葉を投げつけたりしていないかな。すこしキツい言葉を奥さんに言ってしまったことはありましたが、よく考えて、3時間後に謝りに行きました。みなさんはどうでしょう。誰かにいうことを聞かせようと、脅したり暴力を振るったりしたことはありませんでしたか。そういう失敗をしたときに、心の底から、謝ることができましたか。
ふたつめ。校長先生が時々見た光景です。電車のホームで、ベンチの下に缶コーヒーの空き缶が捨てられていました。駅員さんがほうきとちりとりを持って集めていました。校長先生は、自分がめんどくさいからって人に片付けさせるなんて酷いな、と思いました。自分はどうかな、と振り返ってみました。うちに帰ってからネクタイを緩めて、奥さんの椅子の上にかけていて叱られたことがありました。その通りだと思って、片付けるようにしました。みなさんはどうですか。
勉強の時に使った消しゴムのかすを、まだそのまま床に捨てている人はいませんか。
私たちは、他人の良くないところを見つけるのは上手です。自分のことはなかったことにしがちです。何か失敗をして先生に指導をされるときに、「そうだけど、でも○○くんもやってたよ。」と言いませんか。
○○くんの失敗や良くないところは○○くんが直すことです。みなさんにできるのは自分の善くないところを直すことです。それぞれが相手の良くないところを並べても、お互いが嫌な気持ちになり、ケンカが増えるだけです。
まず、自分が直すことです。○○くんの失敗も直してあげたいなら、心の底から相手を思ってすることです。どうしたら、相手に伝わるだろう。一緒に良くなれるだろう、と。
世の中には嫌なことをする人や悪い人はたくさんいます。でも、その人たちに文句を言うだけでは何も変わりません。まず自分にできることをすることです。それぞれが少しずつ良くなろうとすれば、クラスは足し算ではなく、かけ算で良くなります。クラスが良くなれば、学校もよくなります。
振り返りましょう。あなたは消しゴムのかすを、ちゃんとゴミ箱に捨てていますか?


