開校70周年記念式典 式辞

式 辞

本日はご多用の中、練馬区教育委員会教育長 河口 浩様、並びに 練馬区議会議長 田中 ひでかつ 様を始め、多数のご来賓の皆様のご臨席を賜り、練馬区立大泉第一小学校開校七十周年記念式典を挙行できますことを篤く御礼申し上げます。

 また本校第十七代校長として、岡村 幸夫 第十一代校長先生を始めとする歴代の校長先生、教職員、地域の皆様、多くの皆様が育ててきた大泉第一小学校の今を預かるものとして、この場に立つ栄誉をいただきますことに感謝申し上げます。

 本日この会場に参列する5・6年生児童の皆さんにとっても、このことは栄誉なことです。皆さんは、今学校にいる全ての児童の代表であり、今の大泉第一小学校児童の成長の証しであり、そしてまた七十年間の児童全ての取り組みの先にいる未来を創る児童です。

 今こうして背筋を伸ばし、多くの大人のお客様と同じように、この式典に込められた思いをもって、厳粛な時間を共有している。その姿は、皆さんの成長の傍らにいた先生方、そして校長である私にとって誇りとするところです。

 私は、人間が、人間であるために最も大切なことは、他者、自分と関わる周りの人に敬意を持つ、尊重しようという思いを持つことだと考えます。皆さんががんばって背筋を伸ばしているのは、大一小を創ってきた先輩たちの努力に対して、大一小を守り育ててきてくださった全ての大人たちの努力に対して、敬意、敬う心をもっていることを表すためだと感じます。言われたからやるのではなく、自分がやると決めてやる。人間としての皆さんの成長に他なりません。

 私が一年半前にこの学校に初めて来た日は、ちょうど春休みの「あさいち」の日でした。赤尾眞治前校長先生に案内していただき、町会の皆様、商栄会の皆様、男組の皆様、PTAの皆様にご挨拶をさせていただきました。こんなに多くの人たちが、大一小を囲むように学校や地域を元気にしようと取り組んでいることに驚くと共に、その思いを受ける学校の校長として全力をもって教育活動に取り組まなければならない、という思いを持ちました。

 また、しばらく経って、一泉会という会にお招きをいただきました。聞くと、歴代のPTA会長を始めとする歴代PTA役員の皆様、歴代校長先生が、大一小に貢献したいと集まるボランティア団体であるとのことでした。それもまた驚きでした。四十年近くの間、学校の周辺の雑草を取り、花を植える活動を続け、児童の学舎の環境を守り続けてくださいました。誰かが誉めてくれるからやるのではない、自分がやるべきだと考えるから行動するのだという、強い信念を感じます。

 歴代のPTAの皆様が大一小を守り育ててくださった取り組みについては、この後、一泉会の阿部信行会長にお話をいただきます。
 さて、大泉第一小学校の歴史を振り返ると、開校の七十年前から、更に遡ること五十七年前の明治二十二年、大泉村に開校した泉小学校が大本になります。今の学区からはずいぶんと遠く、地域に住んでいる多くの子供は通うことができませんでした。皆さんが通うことのできる学校をつくることは地域の人々の願いでした。そこで、地域の人々がお金や智恵を出し合い、ようやく七十年前に大泉第一国民学校として、その翌年に大泉第一小学校として開校したのです。
戦争が終わったばかりの当時は、国全体がまだお金もものもない時代です。そこから七十年間、国の発展と共に練馬区も発展し、多くの人が暮らすようになりました。地域の人々の暮らし方も変わりました。ふるさと大泉町の核となる大泉第一小学校、ここで学び育った子供たちが、また親となり、大泉第一小学校を支えてくださっていることもあると思います。大泉第一小学校は、地域と共に育ち、地域に守られて育ってきた学校です。
しかし、最近には大変に残念で胸が痛む出来事もありました。ここにいる皆さんには、何のことかおわかりになると思います。世の中には不条理があり、懸命に生きる思いが踏みにじられることもあります。だからといって、大泉第一小の児童のみなさんは、世の中に拗ねたりひねくれたりはしませんでした。

 今も黄色いベストを着けて多くの保護者の皆様が、児童の皆さんを守ろうと通学路に立ってくださっています。現場で身体を張って皆さんを守った学童擁護員さんもいました。地域の安全を守るために立ち上がった保護者の方々は、大一男組をつくり、地域のパトロールをしてくださっています。

 練馬区教育委員会の皆様は、学校応援団という仕組みを作り、放課後の皆さんの安全な居場所を作ってくださいました。そしてそこにボランティアスタッフとして多くの保護者の皆様、元PTAの皆様が参加してひろばを運営し、皆さんの活動を見守ってくださっています。練馬の小学校に心のふれあい相談員の先生がいるのも、児童の皆さんを守る仕組みの一つです。

 商栄会や町会の皆さんが企画・運営してくださる朝市やお祭りを楽しみにしている人も多いでしょう。練馬区青少年委員の取り組み、ジュニアリーダーや青少年育成会の取り組み、少女バレーや野球、サッカーなどに取り組んでいる人もいるでしょう。

 そしてまた、皆さんの周りにいる先生方始めとする歴代の先生方がひたすらに皆さんのことを考え、安全と安心を守ると共に皆さんの成長を図るために、努力を重ねています。
 それら全ての大人が、あんしん大一という、皆さんを犯罪や災害から守るための集まりをつくり、活動をしています。

 みなさんが今、不安を持たず学校生活を送っているのは、こうした大人のみなさんが支えていることを感じているからです。そして、みなさんが頑張っているのは、みなさんもまた同じように人を守り、人を育てる人間になろう、と決意しているからです。人間は不幸も不条理もつくります。だからこそ、それ以上の幸福や理想をみなさんが、わたしたちがつくっていくのです。八十周年や九十周年の大一小をつくるのは、みなさんです。

 結びになりますが、本日ご臨席を賜りましたご来賓の皆さま、祝う会実行委員会の皆様、保護者・地域の皆様には重ねてお礼申し上げますとともに、今後ともご支援下さいますようお願い申し上げ、式辞といたします。