全校朝会のお話
1月16日(月) 思い出は目的ではなく結果です
6年生さんにとって、この3学期は特別な学期です。小学校最後の時間。中学校になると、いろいろなことが変わります。一番変わるのは、自分自身です。もちろん他の学年のみなさんにとっても、程度の違いはありますが、同じことが言えます。ですから、ここから6年せいさんに向けた話をしますが、他の学年のみなさんは自分の学年に置き換えて、話を聞いてください。
全ての時間は特別な時間です。1学期のあのときも、2学期のあのときも、全てもう二度とない時間です。そうは言っても、これから来る、残された小学校最後の時間、というものには特別な思いが湧きます。
以前、話したことがあるかもしれません。校長先生は、「良い思い出になるように頑張ります」という言葉をあまり使いません。なぜなら、思い出というのは過去のものだからです。みなさんがこれから大人に近づいていくときに、過去のことを振り返ってばかりいて、昔にこんなことがあった、こんないいことがあった、それなのに今はそんなに楽しくない、なんて思うとしたら残念です。過去はもう戻らない。けれども今はここにあり、未来はこれからやってきます。
思い出という過去のものを大切にする。それは当たり前です。でも、過去よりも大切なのは今、そしてこれから来る未来です。
みなさんはこれからいろいろな行事や学習に取り組みます。例えばドッジボール大会をするかもしれません。そこで、「良い思い出になるようにがんばります」ではなく、つまり思い出という過去の記憶を作るためにではなく、今この瞬間に友達と過ごす最高の時間を作るためにがんばってください。10年後に、楽しかったなあと思い出すためにではなく、今ここにいる友達と、楽しいなあと肩をたたき合う素晴らしい時間を作るためにがんばってください。
そうすれば、みなさんは過去ではなく、今を友達と最高の時間にできます。そしてそのかけがえのない時間は、みなさんの中に思い出となって残るかもしれません。ドッジボールの中のプレイは忘れてしまうかもしれませんが、小学校時代は素晴らしい時代だったという思いは、きっとみなさんの未来を豊かにします。
校長先生も、先生たちもみんな昔は小学生でした。ちょっとは懐かしく思います。でも、もうその時間は二度と戻ってきません。ほとんどのことは忘れてしまっていると思います。でも、過ぎてしまった小学生時代のことよりも、今、みなさんとこうしている時間の方が大切です。
思い出は、作ることが目的ではなく、素晴らしい時間を過ごした結果なのです。
1月23日(月) テストで学ぶこと
テストはなんのためにあるのでしょう。
テストは自分が積み重ねたことを試すチャンスです。だから、もし力が足りなければ、確かめたところを強くすれば良い。そういう道具です。
そして、テストには、もう一つ役目があります。
自分の力を試すだけなら、おうちでプリントをやって答え合わせをしても良い。もう一つの役目は、先生たちに今の自分の力を伝えることです。いいですか、自分ができるかどうかを調べるためだけなら、自分の家でやっても良い。学校でやるのは、自分の今の力を伝えるためです。知っていましたか。
みなさんがテストをしている様子を見ていると、この人は気付いているな、この人は気付いてないな、と思うことがあります。例えば、数字の6を書いているのか0を書いているのか判らない人。この人は、ぼくわたしはちゃんとわかっているんだからいいんだ、と思っているのかもしれません。書いた文字をちゃんと消さないで、なんて書いてあるのか判らない人、この人もそうですね。
こういう人は、書いたことがちゃんと伝わらなくて×をもらったときに、だってぼくわたしは6って書いたもん、あってるもん、って言います。残念、テストですることの残り半分、相手に伝えることができていません。
ええ、だってあってるもん、ちゃんとできたもん、って言うかもしれませんね。
みなさんが大人になってお仕事をすると、みなさんの仕事の分だけお金を受け取ります。みなさんは仕事を人に渡し、人からお金を受け取ります。それはどんなお仕事でも同じです。自分の好きな仕事をしていいんですよ。その仕事を受け取ってくれる人がいれば、それはお金をいただけます。だけど、誰も受け取らない仕事、自分だけが楽しい仕事は、趣味、といいます。自分だけの楽しみのために自分がお金を払ってやることです。
ケーキ屋さんと、趣味でケーキを作ることの違いは何でしょう。毎日毎日、お金を貰えるかどうかの違いです。自分で「美味しいでしょう?」って言うのではなくて、ケーキの味でおいしさを伝えて、相手がお金を払いたいと思わせることです。
学校の先生も同じです。「教えるのが上手だろう」って言うのではなくて、勉強が楽しくなる授業をして子供たちが明るい顔で授業を受けられるようにして、お給料をもらうことです。
どうやって伝えるかは、それぞれの中身で伝えます。ぼくわたしはちゃんとやったよ、って言っても、中身がそうでなければ伝わりませんね。
つまりね、お仕事は相手にちゃんと伝わるように渡すこと、これが一番大事なのです。テストを受けながら、みなさんは大きくなるための勉強もしているのです。丁寧に文字を書くこと、名前をしっかり書くこと、これは先生にみなさんががんばったことを伝えるために、絶対に必要なことなのです。
1月30日(月) 変わるということ 変われるということ
一つ目のお話。インフルエンザが流行っています。お隣の大泉学園小学校では、先週9学級も、学級閉鎖があったそうです。元気なときのお休みは嬉しいですが、お熱のお休み、外に出られないお休みはつまらないですね。うがい手洗い咳エチケットで、移らない、移さないよう、できることをしていきましょう。
二つ目のお話。くまのこウーフって知ってますか。ウーフという小熊が、自分が何でできているんだろうって考えるお話しでしたね。朝ご飯の目玉焼きでできているのかな、って。意地悪なきつねさんが、ウーフはおしっこでできている、なんて言ってました。物語がどうなったか気になる人は、図書館で本を探してみてください。
でも、目玉焼きでできているってのは、ちょっと本当です。みんなの身体は、みんなが食べたものでできています。食べたものが身体をつくり、三ヶ月経つと、身体の中身を作っている材料は全部入れ替わっているそうです。3ヶ月前のみんなと今のみんなは、実はもう別の材料でできているんですね。変わっているんです。
材料だけではありません。みなさんの身体はどんどん成長します。1日で1mm身長が伸びている、1ヶ月に何センチも伸びた、という人もいますね。昨日の自分と今日の自分は、違っている、変わっているんです。変わるのはおかしなことではなくて、当たり前のことなのです。それが人間、それが生き物です。
変わるのは身体だけではありません。心も変わります。友達とケンカをして、おうちの方に嫌なことを言ってしまって、ヤダヤダヤダって思うこと、ありませんか。ヤダって思っているのに止め時が見つからないで、ずっとヤダヤダって言っている。そういうときはね、変わってしまえば良いんです。ヤダって言うの、止めようって変わってしまいましょう。
朝、ヤダヤダってことがあって、止め時が見つからなくてずっと一日中ヤダヤダヤダって思ってる。つまんないですよね。そういうときは、ヤダっていうのを止めたって、変わってしまいましょう。そうしたら、そこから新しい1日、楽しい1日が再スタートします。それができるのはみなさんです。自分の心を変えられるのは、みなさんだけです。
ただね、変わらない大切なことがある。これも本当です。大切に守りたいことがある。だから、変えることか、変えてはいけないことか、よく考えることが一番大切です。
校長先生も先生方も、小学生の時から、今ここにいるようにしていたわけではありません。いろんなヤダヤダを、ある時に、「止めた」って決めて、こうしてここにいます。みなさんも同じです。変わることは、強さです。
もしみなさんの中に、本当は止めたいこと、嫌なことがあるのなら、自分で決めてご覧なさい。変わる、と。


