米づくりの一年

00_レンゲソウ
【大泉桜の里】
春!大泉桜学園の中央にある「大泉桜の里」には、前の年にまいたレンゲ草が一斉にピンクのかわいらしい花を咲かせます。このレンゲ草、マメ科の植物で田おこしのときに土の中にまぜて肥料にします。花も葉も茎も緑のまま混ぜ込んでしまうので「緑肥」(りょくひ)ともいわれます。根っこの部分に「根粒菌」(こんりゅうきん)という細菌が住んでいます。レンゲ草はこの根粒菌に栄養分をあげる代わりに「窒素」(ちっそ)という植物に必要な肥料の一種をもらっています。このように生物が互いに助け合う関係をもちながら生きていくことを「共生関係」(きょうせいかんけい)といいます。
01_田おこし
【5月 田おこし】
いよいよ田植えの準備を始めます。レンゲ草を鎌(かま)で狩り(かり)、土をスコップで掘りおこします。なかなか力の必要な作業です。そのあと、シャベルで土のかたまりを細かくくだいて柔らかくしていきます。この作業、土の中に空気を取り入れ、土を柔らかくすることと、田んぼの中に、石ころや危険なものが入っていないことを確認する意味があります。土が柔らかくなったら、刈り取ったレンゲ草と乾燥牛糞(かんそうぎゅうふん)をまきます。牛糞というと何か臭いとかきたないとか想像しますが、そんなことはありません。熱処理(ねつしょり)されたサラサラの土のようなものです。牛は草しか食べないので、草が発酵(はっこう)したものに熱を加えて乾燥させたものです。この後主事さんに何回かトラクターをかけていただき、さらに土をふかふかにしたり、安全を確認したりします。さあ、水を入れて、しろかきの準備完了です。
02_しろかき
【6月 しろかき】
田起こしした田んぼに水を入れて、土をかき回す作業です。土をかきまぜることによって、土の中のねん土質の成分が田んぼの表面を覆い、それによって田んぼの中に水がたまるようになります。しろかきの時期は田起こしが終わって、土の柔らかいうちに行います。田植えの2〜3日前が理想的です。田んぼは、はだしで入ります。最初はちょっとヌルヌルしていますが、だんだんとなれてきます。難しいのは水を張った土の中に出入りすることと、その中を歩くことです。田んぼの中を歩くコツは、ゆっくりスローモーションのように動くこと。急いで動くと転んで大変なことになります。足を土の中に入れるときはつま先からゆっくり入れます。逆に抜くときはつま先を下に向けてかかとからゆっくり抜きます。 田んぼに入ったら、レーキ(木のトンボ)で土をならして(平らにすること)いきます。この時、少し土を掘るような感覚でまぜ込むようにしながらならしていきます。次に畔づくりをします。田んぼを取り囲むように一列に並び、田んぼの土をガイドロープに沿って手で積んでいきます。何回か繰り返して、畔がテカテカになるように土をぬりこんで手で均(なら)していきます。(土のかべを作ります。)これで一応田植えの準備はできました。田植えが楽しみですね。
03_田植え
【6月 田植え】
しろかきが終わり、水を一面にはった田んぼに今日はいよいよ苗を植えます。田んぼに行くと横に一本のひもがはってあります。このひものことを「みち糸」と呼びます。田んぼに苗をまっすぐに植えるためにはってあります。さて、田植えのやり方です。苗のかたまりを利き手の反対側に持ちます。田んぼへの入り方はしろかきと同じです。あぜをまたぐようにして、静かに田んぼに入り、みち糸にところに4〜5人で横一列にならびます。白い発泡スチロールを目印にその下に苗を植えていくことになります。苗の植え方は親指、人差し指、中指の3本の指で苗の根元をつまみ、田んぼの土の中に深く差し込むように植えていきます。一度土の中に刺した苗をもう一度押し込むようにしっかりと植える感覚です。田植えは横に渡したみち糸を前にして、その列の目印すべてに苗を植えたら一歩後ろに下がります。みち糸を動かす係の子は、全部の発泡スチロールの下に苗が植えてあるのを確認したら、みち糸を目盛り一つずらします。この繰り返しで田植えを行います。
04_20日目
【稲の成長1】
田植えをしてから、深い水の中でおぼれそうになりながら、頑張っていた苗ですが、少しずつ大きくなってきました。しっかり根っこをはって、土の中から栄養をとれるようになったからです。田植えをしてから一度だけ肥料をまきました。色が黄緑色(きみどりいろ)になってきたら、栄養が足りていない状態です。深緑(ふかみどり)が健康な稲の色なのです。暑さで人間と同じように稲も栄養をたくさん使っています。栄養が不足すると「分げつ」がうまくできなくなるからです。分げつとは、今までの茎(くき)の根元から新しい茎(くき)が出てくることです。稲一株(2〜3本植えた苗のかたまり)で茎が15〜20本くらいになると分げつが止まります。このあと稲の茎の中では穂(米のもとの粒がついたかたまり)を作る準備が始まります。 ふつうは1本の茎から1つの穂が出ます。茎が太いほど、大きくて長い穂ができます。茎が太ければ、大きくて長い、お米のもとのつぶがたくさんついた穂ができるということです。つまり、茎の太い稲が多ければ、お米がたくさんできると予測することができます。  お米がたくさんとれるようにするには、(1)分げつでしっかり茎が増えるようにすること (2)太くてしっかりした茎が育つことが大切です。そのためには稲にしっかり栄養を吸収(きゅうしゅう)してもらうことが重要なのです。
05_50日目
【中干】
 「分げつ」が終わり、太い茎がたくさん出てきたら、今度は「中干(なかぼ)し」といって、田んぼの水をぬいて、土をかわかします。これは稲が成長するのを調整するために必要な作業です。中干しすると次のような効果があります。  (1)稲の根(根っこ)を強く張らせ、根の力を高める。根がくさってしまうことを防ぐ。  (2)土の中に田たまっているガスをぬく。(土の中からあわが出たりするのを見た人もいると思います。)  (3)分げつを止める。(あまりたくさんの茎が出てしまうと、それぞれが栄養をとりあってしまって育たなくなる。) 中干しは土が乾いて小さなヒビが入るくらいで終わりにします。大体1週間〜10日くらいの期間です。あまり長い間水をぬいてしまうと、今度は根がちぎれてしまったり、土に水がたまりにくくなったりします。土に水がたまらなくなると陸稲(おかぼ)といって田んぼではなく、畑で育てた稲のようになってしまいます。
06_70日目
【稲の出穂】
 穂が出るころになると稲はぐんぐん水をすい上げるようになります。水をすい上げて、茎の中に稲の穂(ほ)を作り始めます。この穂が茎の中から出て(出穂…しゅっすい)花を咲かせて、その実がお米になるのです。ですから、「中(なか)干(ほし)」をした後は、水があることがとても大切になります。いつも田んぼに水が入っている状態かどうか確認してください。中干の後の水の量は「青」まで入っていなくても大丈夫ですが、「赤」より下にはいかないようにしたいので、稲当番で「赤」のときは先生に報告してください。  田んぼの水は石碑(せきひ)の後ろにあるポンプから井戸水をくみ上げて使っています。井戸水は水温が安定しているので、夏は冷たい水が出ています。この井戸水の量の調節は先生たちがしていますので、みなさんは水の量をくいにまいてあるテープの色で確認してください。
出穂した穂に咲く稲の花
【稲の成長2】稲は次のような順番で成長していきます。 (1)分げつした茎の中に稲の穂(ほ)のもとができる。 (2)稲の穂が茎の中で少しずつ成長する。 (3)成長した穂が茎の上の方に移動する。 (4)茎の先の方から稲の穂が出る。(出(しゅっ)穂(すい)。) (5)茎から出た穂が伸びていく。 (6)穂の先の粒(つぶ)から、白い糸のようなもの(おしべ)が伸び、風でめしべに受粉する。そう稲も花が咲くのです。開花(かいか) (7)穂の先の粒の中に白い液(でんぷん)ができてくる。(これが固まったものがお米です。この白い液はスズメにとってはとてもおいしい(甘い?)飲み物です。スズメがくるよ うになったら、防鳥ネットを田んぼにかけます。) (8)白い液が固まって、お米になる。(スズメやネズミも大好物です。) (9)穂の先のお米が重くなるので、穂がたれてくる。(下がってくる。) (10)葉が黄色くなり、穂の先も青から黄色に変化してくる。
08_120日目
【おいしいお米ができる仕組み】
稲の一生は大きく分けて、2つの時期に分けられます。一つは稲が苗から大きくなって、どんどん成長して、穂を出す(出穂)までの成長期です。もう一つは穂の先についた種(米)に栄養のすべてを集めて、おいしいお米を作る期間です。この期間のことを「登(とう)熟(じゅく)」といいます。稲の登熟期間は開花(かいか)(花がさく)してから40〜50日間です。この時期に稲は葉で光合成(こうごうせい)(植物が光のエネルギーで、デンプンを作ること)をします。太陽の光で光合成を行って、たくさんのデンプンを作りそれを葉にためます。光合成がさかんに行われると米はおいしくなり、たくさん実ります。つまり、この登熟の時期に晴れの日が続くことがおいしいお米を作ることにつながるのです。 夜になり太陽が沈(しず)んで光合成ができなくなると、稲は昼間作ったデンプンをブドウ糖(とう)という(エネルギーのもと)成分に変えて、種(米)に送ります。夜の気温が高いとこのエネルギーの成分が使われてしまうので、夜の気温は低い方が種(米)にたくさんのブドウ糖がためられます。種(米)にたくわえられたブドウ糖は再びデンプンとなります。昼間は晴れて太陽が出ていて暑く、夜は気温の低いほうが良いわけです。このでんぷんの液(白いミルクのような液)は、とっても甘くおいしい液なのでスズメたちが吸いにきます。私たちが食べているお米はこのミルクのような液が固まったものなのです。
09_稲刈り1
【10月 稲の実り〜稲刈り】
さて、田んぼも稲の穂先が栄養分をしっかりため込み、田んぼ一面が黄金色に輝くようになると、いよいよ稲刈りの季節です。出(しゅっ)穂(すい)(穂が出ること)から稲の葉や茎は全力で穂先に栄養分を送りこみます。穂先が登(とう)熟(じゅく)(穂に栄養のすべてを集めて、おいしいお米を作ること)して、栄養分のため込みを完了すると、葉や茎はそのはたらきを終えて、枯(か)れ、美しい黄金色になります。実は稲にはプラント・オパールというガラスの一種の細胞(さいぼう)があり、それが日の光を受けると輝くと言われています。稲が太陽の光を受けて、黄金色に輝いたらいよいよ稲刈りです。 稲刈りは時期が早いとまだ穂先にお米が十分にできていないので、とれる量が少なくなります。またおそいととれる量は増えますが、お米が熟しすぎて「色」や「つや」が悪くなり、お米の品質や味が低下します。稲刈りはタイミングが大切です。
10_稲刈り2
【10月 稲刈り】
稲を乾燥させるために田んぼの上の棒にぶら下げて乾します。このことをはさ掛(か)けといいます。稲の根元から15センチくらいの所をわら(なわ)で何回か巻いてかた結びでしっかり結びます。結び方が弱いと棒にぶら下げたときに稲がぬけて土の上に落ちてしまいます。稲を地面や田んぼに落とすと後で拾うのが大変です。落ち穂にならないように運びます。稲刈りが終わった後、田んぼに「レンゲ」の花の種をまきます。レンゲは春にはピンク色の花を咲かせます。花が終わったら、そのまま田起こしの時に土にまぜて、肥料になります。
11_稲刈り3
【はさ掛け】
稲刈りをして、刈り取った直後の稲の穂先の籾(もみ…お米のつぶ)は水分を多くふくんでいます。水分が多い籾をそのままにしておくと、くさってしまったり、変な臭(にお)いがしたり、カビが生えたり、芽(め)がでたりしてしまい、お米としての品質が悪くなります。たとえば、水分が多い籾は23℃で保管(ほかん)するとたった3日しか品質が保(たも)てません。そのため、刈り取った稲は早いうちに「はさかけ」をして、籾の水分をへらす必要があるのです。「はさかけ」のよいところは、刈り取った稲を水分の多い水田から空気中に持ち上げて、日光と風によって乾燥(かんそう)する(かわかす)ことで自然乾燥を早めるという意味があります。 現在では、農産物の規格(きまりで決められた品質)により、水分が15パーセント(重さの15/100)位になるまで乾燥させます。農家ではコンバインで稲刈りをすることが多いので、「はさ掛け」をしないで、脱穀(だっこく)(穂先から籾をとること)したものをカントリーエレベーターやライスセンター(米や麦などを保管しておく倉庫)などの共同(きょうどう)乾燥(かんそう)施設(しせつ)、あるいは農家が持っている火力乾燥機で「機械乾燥」させることが多いのです。 「はさかけ」の乾燥は「機械乾燥」に比べて次のようなよい点があります。 (1)ゆっくり乾燥するので、米が割れたり、欠けたり、味が低下したりすることが少ない。 (2)穂の形が残ったまま乾燥するので後熟(刈った後でもお米が栄養分をたくわえる)が進む。 (3)自然乾燥なので省エネルギーである。(燃料などを燃やす必要がない)   「はさ」というのは刈った稲をかける棒とその支柱のことで、その「はさ」に刈った稲を束(たば)ねてかけて天日で乾燥させるのが「はさかけ」です。「はさかけ」のほかに、地方によっては1本の棒に巻きつけるように稲をかけていく「棒かけ」などさまざまな天日(てんぴ)乾燥(かんそう)の方法があります
12_脱穀1
【11月 脱穀】
 脱穀のタイミングは稲の穂先がカサカサと音を立てるくらい乾燥(かんそう)したら可能です。稲刈りをしてから、大体2〜3週間くらいで可能になります。表面だけでなく、たばの中の方も乾燥していることを確認してください。まず、はさかけにしてある稲を体育館に運び込みます。このとき乾燥しているので、たばから稲が抜け(ぬけ)易く(やすく)なっています。稲を落とさないように注意して運びます。体育館では、1か所に集めて穂先をそろえるようにして置きます。 次に、班やグループ毎(ごと)にブルーシートの上に場所をきめ、牛乳パックを持って集合します。牛乳パックはあらかじめよく洗って、乾燥させておいてください。上を正方形に開いておきます。この正方形の中に稲の穂先を一本ずつ入れて、牛乳パックの口で稲を挟み込み(はさみこみ)、しっかり手で押さえます。もう一方の手でゆっくり稲を引くように引き上げると、牛乳パックの中に籾(もみ)(米のつぶ)が落ちていきます。押さ(おさ)えるのが強いと稲が途中でちぎれてしまいますので、力を調節しながら最後まで引き上げてください。この作業を繰(く)り返して行い、牛乳パックにたまったら、用意した米(こめ)袋(ぶくろ)(紙のもの)に集めていきます。この時、短くちぎれてしまったものは、取り出して、指先でしごくようにして、籾の状態にしてください。(精米するときの作業が楽になります。)グループの真ん中に稲を置き、脱穀の終わった後の藁(わら)(わら…脱穀して籾がとれたもの)はできるだけ一か所にまとめておきましょう。稲と藁が混(ま)じってしまうと大変です。分けて置くようにしましょう。藁がたまってきたら、全体で回収するところに持って行って、重ねておくようにします。電動の脱穀機(だっこくき)は安全のため、皆さんは作業できません。
13_脱穀2
【脱穀した籾から白いお米に】
 <籾(もみ)すり(茶色の殻(から)(籾(もみ))をとる→玄米(げんまい)にする)>  脱穀(だっこく)でとった籾の表面についた殻(から)(籾殻(もみがら))をとり、米と分ける作業です。昔は臼(うす)を使って、手作業でしたが、今は籾すり機という機械でやります。籾すりをしてできたものが玄米(げんまい)です。この「玄米」という言葉、聞いたり、そのまま炊飯器(すいはんき)で炊(た)いて、食べたりした人もいると思います。玄米は栄養やミネラルが豊富です。 <精米(せいまい)(玄米(げんまい)についた薄い(うすい)皮をとる→白米(はくまい)にする)> 精米は玄米を白い米にすることです。玄米はまだ表面に薄(うす)い皮(かわ)のついたお米です。黒っぽく見えるので「黒米(こくまい)」とも言われます。その皮をとって、みなさんが知っている白いお米にすることを「精米(せいまい)」と言います。この精米でむいた皮の部分を集めたものが糠(ぬか)です。そう、みなさんのご飯のお供(とも)「ぬか漬(づ)け」はこの糠(ぬか)を使って、糠(ぬか)床(どこ)(糠(ぬか)味噌(みそ))をつくり、それにキュウリやなす、ニンジン、蕪(かぶ)などを入れて、漬け込ん(つけこん)だものです。よく言う「お漬け物(つけもの)」です。 桜学園の精米機(せいまいき)は籾(もみ)すりと精米(せいまい)が一緒(いっしょ)にできます。上の投入口から籾を入れます。ロート状(じょう)の受け皿(ざら)7〜8分目くらいが1回分となります。この分量で精米すると白米で3〜4Kgになります。 こうしてできたお米ですが、売っているお米と違い、石や小さなゴミなどの異物(いぶつ)がないか、しっかり確認することも必要です。お店で売っているお米は異物(いぶつ)センサーという機械にかけて、石や小さなゴミを取り除いているので、お米を研(と)ぐ(洗う)ときに、1〜2回水で洗えば大丈夫ですが、桜米は洗っているときにしっかり確認してください。  最近は無洗(むせん)米(まい)(洗わなくてもよいお米)もあるようですが、あれは機械でお米をぎりぎりまで精米して、完全に皮をとり、何回も異物センサー等にかけているものです。
14_おにぎり1
【1月 おにぎりパーティー】
1月には、こうしてできた「桜米」(桜の里でとれたお米)で「おにぎりパーティ」をします。お世話になった方々もお招きして、1年間の米作りを振り返り、感謝しながら、みんなでおにぎりを食べます。おいしいお米を炊飯(すいはん)することも学習します。5年生は飯盒炊爨(はんごうすいさん)も経験していますが、今回は炊飯器でご飯を炊きましょう。炊飯で大切なことは米と一緒に入れる水の量です。お米はふつう一合(いちごう)という言い方をします。これは小さめのコップ1杯です。体積で言うと180mlです。(重さは150g)よく間違(まちが)えるのは、計量(けいりょう)カップ1杯(はい)とこの一合(小さめのコップ1杯)180mlと同じだと思ってしまうことです。計量カップ1杯(はい)は200mlです。まず、一合のお米をボールに入れて洗います。(米を洗うことを研(と)ぐと言います。)洗い方は水を入れて、軽くかき混(ま)ぜて白く濁(にご)った水を捨(す)てるようにします。このとき米も一緒に流れてしまわないように気を付けます。大泉桜学園の桜米は前にも書きましたが、お店等で売っているお米とは違い、異物(いぶつ)センサー(米の中の石などを取り除く(とりのぞく)機械)などをかけていません。したがって、桜米を洗うときは、十分に注意して洗うようにしましょう。水を捨てた後、目で見て色や形の違(ちが)うものがないか確認するようにします。もし見つけたら、必ず取り除(のぞ)くようにします。終わったら、ざるなどに入れて、米の水をきり、米だけを炊飯器(すいはんき)に入れます。
15_おにぎり2
【1月 おいしいご飯を炊こう】
次に水を入れますが、ここが大切。量は米の体積より10%多くします。つまり、米一合180ml(重さでは150g)にたいして、大体計量カップ1杯200mlです。2合なら計量カップ2杯、3合なら計量カップ3杯という具合です。炊飯器(すいはんき)なら、目盛(めも)りがついているので、そこの目盛りまで水を入れれば、この水の量とほぼ同じになるはずです。では、計量カップも炊飯器(すいはんき)もない場合はどうしますか。その場合は米の入った鍋(なべ)などをたいらなところに置き、米を平らにして、手を広げて米の上に置いて、指の付け根から2cmくらいのところまで水を入れます。(二合の米なら、米の上に中指をまっすぐに立てて、第一関節まで水を入れる方法もあります。)  米と水を入れた炊飯器。後はスイッチを入れるだけですが、ここで大切なポイント2つ目。スイッチを入れる前に、米が水を吸(す)う時間をとります。夏なら30〜40分、冬なら60〜80分。そのままにして、給水(きゅうすい)時間(米が水を吸う時間)をとります。時間がきたらスイッチを入れて炊(た)きあがりを待ちましょう。1年間のお米づくりはどうでしたか。日本人の食生活で欠かせない「お米」は自然の恵みと大昔の人たちから受け継がれてきた知恵と工夫でできている食べ物です。みなさんもきっとたくさんのことを思ったり、感じたりしたと思います。1年間を振り返りながら、自分の作ったお米はどうかゆっくりと味わってみてください。