2.ビオトープを生かした活動

  1.自然が回復しつつあるビオトープ

 ビオトープが完成して1年半が経過した。このビオトープは自然体験学習の場として子どもや保護者、地域住民のアンケートに基づき、里山の自然の復元を目指してつくったものである。この間、自然が順調に回復し多くの動植物が生息し、根付くようになった。

2.ビオトープでの活動

 ビオトープをめぐっての活動は広がっている。生活科、理科、総合的な学習の時間での活用だけではなく、委員会活動、クラブ活動でも利用されている。また、休み時間や放課後など子どもや親子の自然のふれあいの場ともなっている。昆虫の卵や幼虫、成虫を発見した児童がわざわざ職員室にまで見せに来てくれることもしばしばである。

(1)環境委員会

 環境委員会では、校舎入り口の掲示板に、ビオトープコーナーを設け、毎日、気温、水温、水の透明度の測定結果を記録したり、発見したことをカードで掲示している。


〔発見カード〕
 月  日                         発 見 し た こ と
平成17年
4月13日
・ビオトープの階段のところで、ホトケノザという花を見つけました。
紫の花を持っています。
4月14日 ・池の周りにウグイスがいました。ホーホケキョという鳴き声が聞こえました。
よかったら今度、ビオトープに行って耳を澄まして聴いてみてください。
4月16日 ・ツチグモがいました。ツチグモがアリをとらえる姿を見ました。
ビオトープの石積みにいました。
4月21日 ・今日、ビオトープの池に数え切れないほどのワサビが育っていました。
5月2日 ・葉っぱにアゲハの幼虫がいた。

・オナモミとジュズダマが石のところに落ちていた。

・岩のすき間にゴミムシダマシがいた。

・岩のすき間にゴミムシダマシがいた。

・モミジの葉の先だけが赤くなっている葉があった。

・ヤマモモの木にコアリがたくさんいた。

・夏ミカンにハエトリグモがついていた。

・夏ミカンにアゲハのタマゴが4つ、幼虫が3匹くらいついていた。

・ニシキギの花に働きアリがいた。

・ナズナの花のつぼみがたくさんありました。

・ビオトープの川の中にアメンボやメダカがいた。

・ビオトープの池にメダカの子どもがたくさん泳いでいる。
5月25日 ・ビオトープの池で、カモ2羽見つけた。
6月1日 ・ビオトープでイトトンボを見つけた。

・田んぼでツチガエルを見つけた。
6月6日 ・ビオトープの稲の中にヤゴのぬけがらとヤゴがいました。
稲も大きくなっていました。

・テントウムシの幼虫がたくさんいた。

・テントウムシの成虫が交尾をしていた。

・アゲハチョウの幼虫がたくさんいた。

・池には、1センチくらいのタニシが少しずつ動いていた。黒いのが見えた。

・メダカが3匹くらいかたまっている。
7月4日 ・キノコがビオトープの木のところに生えていました。
キノコは並んでいるようにたくさん生えていました。色はクリーム色っぽかったです。
下の図のように生えていました。ぜひ見てください。

・木のうちみたいな所には、大きなダンゴムシやナメクジがいました。

・ビオトープの池には、アメンボがういていた。残念ながらカエルなどはいなかった。

・アメンボが池のところにいました。いっぱいいました。元気に泳いでいました。

・田んぼには5年生が育てている稲があります。タニシも見られました。アメンボもたくさんいました。
となりの沼には「ガマの穂」が高く生え、私の背をこしているものもありました。
雨の日ならではの生き物も見られました。

・ビオトープには数々の植物が育ち、アメンボやカエル、ナメクジなどの生き物がいます。
稲は育ち数々の植物も育っています。
そのほかにも、いろいろな植物の成長が見られています。
たくさんいる動物で一番多いのがアメンボでした。
8月5日 ・田んぼの稲の穂がたれていた。
9月5日 ・池にタニシが大量にいた。こんな雨の中にシジミチョウが2,3匹いた。
前に観察したときより、草がぼうぼうになっていた。

・育ったビオトープの池で、タニシがたくさんいた。
稲はぼくの肩ぐらいまで伸びていました。
いつ収穫してもいいと思います。

・タニシが一部にかたまり合っていた。
植物では、稲が夏休み前より、伸びていたことにびっくりした。

・オナモミが半分黒で、半分緑色でした。不思議。

・ねこじゃらしがたくさんあった。

・ビオトープの池で、タニシがいっぱいいました。
あまりに多かったのでびっくりしました。

・オナモミに実ができていた。

・草が生いしげっていた。スズムシが鳴いていた。
オオオナモミに実ができていた。
ねこじゃらしがたくさんあった。
ビオトープの階段が草で通れなくなった。
10月17日 ・ビオトープの草が、緑でなく黄色になっていた。
これは、季節が変わってきているなと思いました。

・今日、ビオトープを見に行ったら、稲がちょっとずつ育っていました。
私が5年生の時にやっていたことを思い出しました。
それにちゃんと米粒もついていました。
これからも、もっともっと大きく大きく育って欲しいと思います。

・ビオトープの田んぼの雑草の中にバッタがいました。
草と同じ色で、最初分からなく、踏みそうになりあぶなかったです。

・ビオトープのとなりの木にザクロが実っていました。盛りだくさんでした。
とても熟していておいしそうでした。
みなさんも見に行ってみてください。
11月7日 ・オナモミが茶色になっていた。

・ニシキギの葉が茶色になり枯れていた。

・小さい実がポツリポツリついていた。

・生き生きしていたビオトープ。秋には草木が枯れたよう。
紅葉している木もあれば、緑のままの木もたくさん。赤い実たくさんついている。
この草の名はなんだろう。ススキは人の髪のよう。
オナモミも枯れ、とげは全然痛くない。

・もみじが緑色でした。枯れてもいました。
ススキの背が高かった。オオオナモミのいがいががあまりなかった。
ススキがたくさんあった。

・オナモミが緑色だったのに、茶色になっていた。

・コナラの枝に新芽がついていた。

・もみじの木の葉は枯れているところが多く、赤くなっている葉は全くなかった。
ススキは長いもので約2mもあった。
木や草はたくさんあったけど、ほとんど枯れていた。
12月12日 ・田んぼの水がにごっているかと思ったけど、意外ときれいだったからびっくりした。

・子メダカは体長わずか3〜4mmほどで、小さいお腹はもうふくらんでいない。
とても元気。けっこうたくさんいた。

・田んぼの中には落ち葉がたくさん落ちていて、葉の色は茶色や黄色で赤っぽいのもありました。
生き物や虫などは寒いせいか姿が見られませんでした。
だんだん寒くなって気温が低くなってきました。

・築山の川は日が暮れているせいか水が流れていませんでした。
水がでるところを見つけました。
小さな羽虫がパイプや田んぼに群がり水の上をすべっていました。
ススキなど冬を感じさせる木がとても感じが良かったように思えました。

・ガマの実はおもしろい形をしていて、けっこう長いです。
それに大きいので目立つからよく分かります。
ソーラーパネル完成式での環境委員会委員長のあいさつ
 「ぼくは、環境委員会の委員長をしています。ぼくたち環境委員会は、毎日欠かさずにビオトープの観察を続けてきました。水温や水質、そして、その周辺の気温の観測などの活動をしている中で、さまざまなことにおどかされることがありました。いつも変わらないように見えるビオトープでも水温や気温はもちろんのこと、そこに育つ植物や生物が季節によって大きく変化していくことです。また、池の水質も変わりました。

 夏休みも観測していたのですが、夏の間、池の水はひどくにごっていました。しかし、夏の終わり頃、伸びきった雑草をかった後から、池の水も少しずつ透明度が増してきました。どうしてそのように変化していったのかは分からないけど、日に日に変わっていくビオトープの池を見ているのがとても楽しくなってきました。

 そんなビオトープにソーラーパネルが取り付けられることを知ったとき、とてもわくわくしました。川にいつも水が流れ、その結果、ホタルのエサになる虫が集まり、ホタルが育つからです。これからのビオトープは、いつもきれいで、いつでも季節に合わせたたくさんの植物や生物が育っていくことと思います。そして、来年には、ホタルの飛ぶビオトープとなり、それが毎年のように続いて、富士見台小学校の、そして、練馬区の名所と呼ばれるくらいになってもらいたいと願っています。」
(児童代表 6年2組)