12月25日 終業式 「掃除」を通して心を磨こう

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 今年の授業も今日で終了です。明日から1月7日まで冬休みです。冬休みを前にして、今年最後の校長先生の話をします。
 アメリカでは、多くの小学校で、子供たちはお掃除をしません。
(理由は大きく二つ。一つは、うちの子を掃除人にさせるつもりはないという保護者の反対。もう一つは、掃除をする人たちから私たちの仕事を奪うのかと抗議がでる。)うらやましいですか?校長先生は全くうらやましいとは思いません。日本ではすべての学校で、子供たちがお掃除をやります。校長先生はすばらしいことだと思っています。
 その理由として、一つのお話をします。

 むかしむかし、2500年ほど前のお話です。インドという国に「シュリハンドク」という名前のお坊さんがいました。このお坊さんは、朝聞いたことでも夜になるともう忘れてしまいます。自分の名前も覚えられなくて、背中に自分の名前を書いてもらい、人から名前を聞かれると背中を見せて教えていました。シュリハンドクはそういう自分が情けなくなって、ある時、お師匠のお釈迦様の所に行って「私は、もうお坊さんをやめたいです。」と相談しました。するとお釈迦様は、「何も心配することはありません。」と言って、彼に1本のほうきを渡して、「これできれいにしましょう。」とおっしゃいました。
シュリハンドクは、それから何年も掃除をし続けました。ある日、いつものように掃除をしていると、お釈迦様が来て、「ずいぶんきれいになりましたね。だけど1カ所だけまだ汚いところがありますね。」と声をかけてきたのです。そこで、シュリハンドクは不思議に思い「お釈迦様、どこが汚いのでしょうか?」と尋ねましたが、教えてくれませんでした。「はて、どこが汚いのだろう?」と思いながら、それからもずっと「もっときれいにしよう。」と言いながら掃除を続けたのです。
そんなある時、子供たちが遊んでいて、シュリハンドクがせっかくきれいに掃除したところを汚してしまいました。シュリハンドクは、思わずほうきを振り上げ怒鳴りました。「こら、どうして汚すんだ。」
その瞬間、彼は本当に汚れているところに気が付きました。それは自分の心だったのです。
その時、お釈迦様がシュリハンドクの後ろに立っていて、「これで全部きれいになりましたね。」とおっしゃってくれたのです。掃除をするということは、「掃除が嫌だ!」とか、「さぼりたい、もっと楽をしたい」とか、「人のことを悪く言ったり、威張ったりしたい」などという心の中の汚れをきれいにすることだということに気が付いたのです。
お釈迦様の教えが分かったシュリハンドクは、ますます掃除に精を出し、人から尊敬される立派なお坊さんになったのです。

 今日は、暮れの大掃除にちなんだお坊さんのお話をしました。お掃除を一所懸命にやることは、もちろんその場所をきれいにすることなんですが、実は「自分の心もきれいにする」ということだったんですね。そういう「心をきれいにする、心をみがく」ということが、実は将来、みなさんが大きくなる時にどうしても大事になってくることなんです。ですから、日本の学校で子供たちが一所懸命お掃除することを校長先生はすばらしいと思うのです。
 さあ、まもなくお正月です。新年になると、1年生から6年生まで、みんな一緒に一つずつ歳をとります。これは一つ成長することです。北町小のみんなが、ぴかぴかな心で友達を大事にし、みんなで一つずつ成長していきましょう。

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