2月25日 最後にどんな目を入れるか

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 いよいよ今週の金曜日から3月になります。3月3日は、桃の節句、ひな祭りです。みなさんのおうちでもおひな様を飾ってあるところもあるでしょう。今日は、そのおひな様に関係するお話です。
 以前、埼玉にある人形屋さんに社会科見学に行ったときの話です。その時に聞いた職人さんの言葉が今でも心に残っています。それは、「最後にどんな目を入れるか」という話です。
 人形屋さんには、だんだんにおひな様が作られていく工程が展示されていました。半年から1年くらいの時間をかけておひな様が作られていきます。
 体を作る人、手足を作る人、着物を作る人。そして、作った着物を着せる人。頭を作る人、その頭に髪の毛を植える人、その髪の毛をきれいに結って冠を付ける人。そして、体と手足と頭をくみたてる人。というように、様々な工程を多くの人の手を経て、おひな様が完成に近づき、最後に顔を仕上げる職人さんにおひな様が渡ります。
 その時、最後の仕上げの「目」を入れる作業をする職人さん
の言葉が、「最後にどんな目を入れるか」でした。
 「体もでき、着物も着せて、きれいな顔に仕上がって、後は目を入れるだけ。この時が一番緊張します。目の入れ方でこれまでのたくさんの人の努力や仕事の値打ちが決まってしまうのです。良い目が入らないと、たくさんの人間が半年という時をかけて作った仕事が全部台無しになってしまうのです。心を落ち着け、素直な気持ちで一気に目を入れます。『最後にどんな目を入れるか』ということがその人形に命を吹き込むのです。」
 このように、「最後の仕上げ」が、それまでのたくさんの努力を活かしたり、すべてを台無しにしたりするのですね。
 みなさんの平成30年度は、どんな年でしたか。最後の仕上げに、どんな目を入れて、どんな1年に仕上げますか。
 今年度もあと残り4週間、いよいよ最後の仕上げの時です。
 残りの4週間、心を込めて、最後の仕上げをして、平成30年度をすばらしい年に仕上げましょう。

2月18日 春一番が運んできた温かい心

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 2月4日に立春を迎え、暦の上ではもう春です。明日2月19日は、立春と同じように二十四節気の一つである雨水(うすい)です。空から降ってくるものも雪から雨に変わり、雪を溶け始める頃ということです。その後、啓蟄(けいちつ)、春分と続いていきます。少しずつ本格的な春に近づいていきます。そして、立春から春分の間に一番始めに吹く南風を「春一番」と言います。
 今年はまだ吹いていませんが、その「春一番」が吹いたというニュースを聞くと、思い出す出来事があります。
 ある年の春一番が吹いた朝のある小学校の通学路であったお話です。
 その学校では、北町小学校と同じように、6年生などの上級生を班長とする登校班で集団登校をしていました。思いがけない強い風に1年生の帽子が飛ばされてしまったのです。しかし、帽子を飛ばされた本人はびっくりしたのか、転がっていく帽子を見ているだけでした。私も道路の反対側にいたので「帽子!帽子!」と叫ぶことしかできませんでした。
 すると、振り返った列の一番前の6年生が「ここから動いちゃだめだよ。」と登校班の全員に言い聞かせ、転がる帽子を追ってかけ出しました。そして、ようやく拾い上げた帽子の汚れを払いながら、1年生に「帽子が急に飛んで、びっくりしたんだね。ほら、拾ってきたよ。」と手渡しました。大きくうなずいた1年生は、大事そうに帽子をかぶり、その登校班の列はまた、向かい背の中を歩き出しました。
 「何をしているの、早く拾いに行かなくてはだめじゃないの。」ではなく、「帽子が急に飛んで、びっくりしたんだね。」の言葉に私はとても感動しました。
 相手の心に寄り添い、絆を強めていくためには、日頃から相手を理解しようとする心が大切です。しかし、一人一人が違った考えや気持ちをもっている私たちにとって、相手を理解するということはとても難しいことです。
 「理解する」ということを英語では、「アンダースタンド(understand)」と言います。下に立つと言うことです。この6年生は、毎日の集団登校で下級生にとてもよく声をかけていたそうです。単に声かけをしているということではなく、相手を思い、相手から学ぼうとする謙虚な気持ちで相手に寄り添おうとする努力を惜しみなくしてきた結果、あのような言葉がその瞬間に出たのだと思います。
 「春一番」が吹いたとはいえ、まだ寒い朝でしたが、一人の上級生のお陰で心はとても温かくなりました。

2月4日 数字の「一」の持つ意味

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 1月もあっという間に過ぎ、2月も3日過ぎました。今日2月4日は、立春です。暦の上ではもう春になりました。早いですね。よく『1月は、いってしまう。2月は、にげてしまう。3月は、さってしまう』と言います。つまりこの三ヶ月間は、特に短く感じて、あっという間に過ぎてしまうのです。ですから、自分は何を目標にどんなふうに頑張るのかを口にし、文章に書いて、いつも意識をしておくことが大切です。
 さて、今日の校長先生のお話です。今日は、「一」についての話です。
 その「一」の意味について、違う方向から考えてみました。算数の学習では、「一」は、一、二、三、四、………と数える最初の数ですから、みなさんは最も小さい数字だと理解しているのではないでしょうか。しかし、この「一」という数字を最大の数、一番大きな数であると考えた人がいます。その人は、ドイツの「自由ヴァルドルフ学校」という学校をつくったドイツ人のルドルフ・シュタイナーという先生です。
 シュタイナー先生は、「一」が最大の数、一番大きい数であることをこのように説明しています。
 「地球は一つしかない。」
 「太陽は一つしかない。」
 「そしてみなさん自身は、一人のかけがえのない存在である。」と。
 「一」は、確かに、算数の学習の中では一番小さい数かもしれませんが、人間の生活や社会の中では、最も大きい、最も大切な存在を表していると言っているのです。
 思いやりの心は、まず自分自身に向けてください。シュタイナー先生がおっしゃった数字の「一」としての自分自身の存在する意味を考えたいと思います。自分を大切にできない人間は、他の人を大切にすることなどできないのです。
 日々の生活の中で、『自分のよさとは』『自分の可能性とは』というように、いつも自分を見つめてみてください。そこから自分自身が分かり、自分と同じように頑張って生きている
 かけがえのない他の人の存在が分かります。そして、そこから自分を思いやるのと同じような心で他の人を気遣う、本当の思いやりの心が芽生えてくると思います。

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